今週の放送は、視聴者にも覚悟を迫る内容だった。稔と勇(村上虹郎)の出征、安子の母と祖母は空襲で亡くなり、父もほどなくして――。失い続ける主人公を、さらなる悲しみが襲う。
稔の弟勇は無事に帰ってくるものの、稔は違った。おかえりもただいまも言えないまま。
戦後をどう生きるか
一方、世の中は少しずつ日常を取り戻していく。朝のラジオ放送が復活し、英語講座も再開する。本屋には英語の本が並ぶ。
変わる街並み、成長していく我が子。その中で、夫だけがいない。
次週からは、主人公が戦後をどう生きていくのかに焦点があたる。夫なき家で、姑(しゅうとめ)との関係はどうなるのか。勇の安子への思いは――。物語は、大きく動き出す。
ドラマの語りを務める城田優は、安子について「視聴者の皆さんを置いて行かずに、みんなと同じラインに立っている」とコメント。
作品については「たいしたことないと思っていた人と人とのつながりがのちに深いつながりになっていったり、ささいな出来事が人生を変えてしまったりドラマティック。植物が太陽の光と雨で枝を広げ、花を咲かせ実が大きくなるように、人もどんどん成長し濃くなっていく。枯れていくものもあれば咲いていく花があり、次の世代に受け継がれていく」と話す。
「安子は英単語を毎日ひとつ覚えるごとに、戦地に行った稔に会える日が近づくと信じていました。残念なことにその希望はかなわなかったですが、信じるということが人生ではなによりも大切。いま薄暗い闇の中にいて前に進むエネルギーが必要な方々に、少しでも栄養となるようなものを毎日蓄えてもらえればと願っています」(土井恵里奈)
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