石原慎太郎・元都知事が89歳で死去、運輸相など歴任…「太陽の季節」で芥川賞
元東京都知事で、運輸相などを歴任した作家の石原慎太郎(いしはら・しんたろう)氏が1日、死去した。89歳だった。
68年に参院選全国区に立候補し初当選。72年に衆院にくら替えし、環境庁長官や運輸相を歴任した。自民党衆院議員時代、保守政治の立て直しを掲げ、渡辺美智雄元副総理(故人)らと若手のタカ派集団「青嵐会」を結成。89年には党総裁選に出馬した。自主憲法制定を唱え、戦後を代表するタカ派政治家として活躍した。
95年に衆院議員を辞職し、99年の都知事選で初当選した。2012年に4期目途中で辞職するまで約13年間都政を担った。強い指導力を発揮し、ディーゼル車の排ガス規制や大手銀行への外形標準課税導入などに取り組んだ。12年には沖縄県の尖閣諸島を購入する意向を表明し、民主党の野田内閣による国有化につながった。
知事辞職後の12年11月に「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表(当時)らと新党「太陽の党」を結成した。直後に橋下徹・大阪市長(当時)が率いる旧日本維新の会に合流し、代表に就任。同年の衆院選で国政に復帰した。
ただ、党運営を巡って橋下氏らと意見が食い違い、14年に分党。同年8月には「次世代の党」を結成し、最高顧問となった。同年12月の衆院選で落選し、政界引退を表明した。
15年に旭日大綬章を受章した。政界引退後も作家として新作を次々に発表し、16年には田中角栄元首相の生涯を一人称形式で振り返った「天才」がベストセラーになった。