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ワリエワ

 
ワリエワはシニアに本格参戦した今季、世界歴代最高得点を次々と更新。4回転を含む高難度のジャンプを鮮やかに決めるだけでなく、柔軟性や表現力にも優れ、「史上最高の選手」と呼ばれた。才能豊かな15歳はどのような経緯で禁止薬物を摂取したのか。これこそが最大の疑問であり、焦点だろう。

 検体から見つかった禁止薬物トリメタジジンは、狭心症など心臓の治療薬として用いられる一方、持久力向上につながるとされ、2014年にWADAの禁止薬物に加わった。同年に競泳男子五輪金メダリストの孫楊(中国)の検体から検出され、孫楊は3カ月の資格停止処分を受けている。

 CASによると、ワリエワ側は祖父が定期的に服用している心臓疾患の薬を、同じ食器やグラスを使用した際に誤って摂取したのが原因である可能性を主張。ワリエワの母親の証言によると、祖父は毎日ワリエワを家から練習場まで送迎し、昼休憩時は一緒に過ごしている。検体からはトリメタジジンを含め心臓疾患の治療に使用される薬物が計3種類検出された。

 他の2種類は禁止薬物に指定されていない「L―カルニチン」と「ハイポクセン」。ワリエワは検査時に提出する書類で、この2種類については使用を申告していた。米国反ドーピング機関のタイガート最高責任者は、「持久力を高めて疲労を軽減し、酸素を効率的に取り込むことを狙った組み合わせに見える」との見解を示した。

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